若松恵比須神社

若松恵比須神社の歴史と由来

若松恵比須神社は、約1800年前に遡る歴史を持つ神社です。

その起源は、仲哀天皇と神功皇后が筑紫国（現在の福岡県）を訪れた際、洞海湾で光り輝く霊石を見つけたことにあります。

この霊石は、天皇と皇后の旅を安全に導く海の神からの贈り物とされ、武内宿禰によってこの地に祀られたのが神社の始まりです。

若松という地名も、武内宿禰がこの地に植えた若松の木に由来すると伝えられています。

この霊石は現在も本殿に安置され、神社の重要な象徴となっています。

主祭神とその神徳

若松恵比須神社の主祭神は、事代主命（ことしろぬしのみこと）と大国主命（おおくにぬしのみこと）です。

事代主命は商売繁盛の神「恵比須様」として広く知られ、大国主命は「大黒様」として、財運や健康、長寿の神として信仰されています。

これらの神々は、特に商売繁盛、家内安全、海上安全、大漁満足などのご利益を授けるとされ、地元の人々や商業者から厚い信仰を集めています。

若松の地名の由来と神社との関係

若松という地名は、神社の由緒と深く関わっています。

伝説によれば、武内宿禰が霊石を祀った後、この地を再び訪れた際、海岸に若々しい松の木を植え、その美しさを讃えた詩を詠みました。

この出来事が「若松」という地名の起源となったとされています。

松の木は、神の依代（よりしろ）としても重要な意味を持ち、神社のシンボルとして尊ばれています。

十日ゑびす祭：商売繁盛を祈る伝統行事

若松恵比須神社で毎年1月10日に行われる「十日ゑびす祭」は、商売繁盛を祈願するための重要な行事です。

この祭りでは、多くの参拝者が福笹や縁起物を求めて訪れます。

福笹は商売繁盛の象徴とされ、商人たちはこれを手に入れて一年の繁栄を願います。

また、神社周辺には屋台が立ち並び、地元の人々や観光客で賑わいます。

社殿と境内の見どころ

若松恵比須神社の社殿は、伝統的な神社建築を基調とし、静かで厳かな雰囲気が漂います。

本殿には、武内宿禰が発見した霊石が祀られており、参拝者はこの神秘的な石に特別なご利益を感じています。

また、境内には、若松の地名の由来となった松の木や、神社の守護を象徴する狛犬など、見どころが多くあります。

参拝者はこれらを見学しながら、神社の歴史と文化を感じることができます。

アクセスと参拝のポイント

若松恵比須神社は、北九州市若松区に位置し、JR若松駅から徒歩約10分、または北九州市営バスの「若松区役所」バス停から徒歩3分という便利な場所にあります。

参拝は自由ですが、特に十日ゑびす祭や年始には多くの人で賑わうため、静かに参拝したい場合は行事のない時期に訪れることをおすすめします。

また、駐車場は限られているため、公共交通機関の利用が推奨されています。

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