伊勢宮神社の歴史と由来
長崎市の伊勢宮神社は、寛永5年(1628年)に創建されました。
この神社は、伊勢神宮の外宮から分霊を勧請し、その後、寛永6年(1629年)に正式な奉斎許可が下されたことで、長崎において信仰を集める場となりました。
当初は仮宮として始まりましたが、長崎奉行や市民からの寄進によって社殿が整備され、地域の大社として発展しました。
明治34年(1901年)には、長崎県で初の神前結婚式が行われるなど、その歴史に名を残しています。
伊勢宮神社のご祭神とそのご利益
伊勢宮神社では、天照大御神、豊受大神、そして素戔嗚大神が祀られています。
これらの神々は、それぞれ異なるご利益をもたらすとされています。
天照大御神は国家の安泰や家内安全、豊受大神は農業や食物の守護、素戔嗚大神は厄除けや災難からの保護を司っています。
このため、参拝者は家族の健康や繁栄、災厄からの守護を祈願するために訪れることが多いです。
格式を示す外塀と伊勢宮神社の高位
伊勢宮神社の外塀には、5本の線が引かれており、これは神社の格式の高さを示しています。
この5本の線は、神社としての最高位を意味しており、地域における伊勢宮神社の重要性を物語っています。
このような外塀の構造は、歴史的に見ても格式高い神社にのみ見られる特徴です。
三十六歌仙額絵:長崎の宝とされる江戸時代の美術品
拝殿には、江戸時代末期の元禄9年(1696年)に長崎貿易で成功を収めた商人によって奉納された「三十六歌仙額絵」が飾られています。
この額絵には、紀貫之や小野小町、平清盛などが詠んだ36首の和歌と肖像画が描かれており、長年にわたって風雨にさらされてきたために、今では趣のある風合いを醸し出しています。
これらの額絵は、いつでも自由に鑑賞することができ、長崎の文化遺産として大切にされています。
長崎の伝統を感じる伊勢宮神社の例大祭
伊勢宮神社の例大祭は、毎年11月1日から3日にかけて行われます。
この祭りでは、長崎で唯一となる「浦安の舞」が奉納されるなど、地域の伝統を感じることができる行事が行われます。
例大祭には、多くの参拝者が訪れ、神社の格式や歴史に触れながら、神々に感謝と祈りを捧げます。
伊勢宮神社の「大一」紋章に見る道教の影響
伊勢宮神社の境内には、「大一」という文字が刻まれた灯籠が見られます。
この「大一」の紋章は、道教の影響を強く受けているとされ、神社の独特な文化的背景を表しています。
この紋章が灯籠に刻まれていることからも、長崎における伊勢宮神社の長い歴史と、多くの人々に親しまれてきたことが伺えます。
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